caféもみの木

はじまりは「端材」だった
このラスクは、最初から商品として設計されていたわけではありません。
もともとは、パン製造の過程で出る端材を活かすための取り組みから始まったものです。
そこから試行錯誤を重ね、現在ではラスク専用のパンを焼くまでに発展しています。
「副産物」から始まり、「主力商品」へと変化したプロダクトです。
製造工程
ラスクは以下の工程で作られています。
画像はイメージです
一見シンプルな流れですが、各工程の精度がそのまま最終品質に直結します。
利用者さんが関わっている工程
利用者さんは、製造の多くの工程に関わっています。
職員さんは全体の進行管理や、オーブンの温度管理など、品質の最終調整を担っています。
仕上がりを決める工程
特に重要なのは「土台となるパン」と「味付け工程」です。
シンプルな構成だからこそ、塗布のムラや厚みの差がそのまま食感に影響します。
3人の利用者さんの役割と技術
3名それぞれに、明確な得意分野があります。
- Aさん:計量・ミキシング(誤差のない正確さ)
- Bさん:成型(一定のリズムで崩れない安定性)
- Cさん:味付け(繊細で丁寧な塗布)
職員の方はこう語っています。
「Aさんは、正確さが求められる生地のミキシング操作が得意です」
「Bさんは、一定のリズムで進める成形が得意です」
「Cさんは、丁寧な手つきで味付けを安定して行えます」
職員Aさん
単なる作業ではなく、それぞれの“技術”として成立していることがわかります。

3人が揃う時に起きていること
3名が揃っている時、作業は最も安定します。
職員の方はこう表現しています。
「3名が揃っている時は、それぞれの強みが噛み合い、生産スピードと品質が安定します」
職員Aさん
「欠員が出ると職員が補助に入りますが、
長年積み重ねられたリズムがあるため、揃っている状態が最もロスが少なくなります」
職員Aさん

技術の変化(時間の積み重ね)
最初は課題もありました。
「パン全面にマーガリンや砂糖を均一に塗ることが難しく、塗りムラが課題でした」
職員Aさん
しかし継続の中で、次のように変化しています。
「長年の継続により、適量を均等に広げる力加減を習得し、安定した品質を保てるようになっています」
職員Aさん
技術は“教えられたもの”ではなく、時間の中で利用者さん自身がつかんでいったものです。


改善の歴史
特に大きな改善は以下です。
- カット厚みの標準化(ガイド導入)
- 焼成条件の最適化(湿度対策・乾燥工程)
職員の方はこう振り返っています。
「湿度の高い時期のサクサク感の維持に苦労しました。焼成の温度や時間を何度も調整し、乾燥工程を工夫しました」
職員Aさん
約2年かけて、現在の安定した品質に到達しています。

職員の関わり方
この現場の特徴は、“関わり方”にもあります。
職員の方はこう話しています。
「教えすぎないことと、変化に気づくことを意識しています。本人が自分で気づける余白を残すようにしています」
職員Aさん
また、別の言葉として次のような工夫も語られています。
「視覚的なマニュアルや配置の工夫によって、利用者さんが自分で完結できる作業が増えました」
職員Aさん
利用者さんへのリスペクトが現れる瞬間
印象的なエピソードがあります。
職員の方はこう語っています。
「普段は寡黙な利用者さんが、完成したラスクを見て『これ、おいしいね』と笑顔を見せたことがありました」
職員Aさん
その瞬間は、単なる作業成果ではなく、
“自分の仕事が価値として認識された瞬間"でした。
めでちゃんが現場で感じた居心地の良さが、職員さんから利用者さんへの、リスペクトと愛にあふれた言葉と繋がりました。
このラスクの本質
このラスクは単なる食品ではありません。

職員の方の言葉が象徴しています。
「この一枚には、利用者さんが何百回、何千回と繰り返して磨き上げた技術が詰まっています」
職員Aさん
伝えたいこと
このラスクは「積み重なりの結果」です。
そこには、見えない時間と関係性がありました。



